新規事業を行うにあたり、下記の様な悩みはないでしょうか?
- マーケティング戦略を作った方が良いのは分かるが、何をしたらいいか分からない
- ネットで調べたものの、なんだか難しそうだし、面倒くさそう
分かります!
3C分析、SWOT分析、ペルソナ設定、KPI…マーケティング用語って分かりづらいですよね…。
でも、ご安心ください!今回ご紹介する「Cab式メソッド」は一切マーケティング用語を使わずに私が作ったフォーマットです。
そんなんで本当に大丈夫なの?効果あるの?という声が聞こえてきそうですが、大丈夫です。
私は普段、中小企業診断士として年間30件以上の新規事業をサポートさせていただいていますが、全てこの「Cab式メソッド」を活用していただいており、多くの企業様が成果を出されています。
この記事では、その「Cab式メソッド」の具体的な使い方について、ご紹介させていただきます。
最後まで読んでいただくと、ご自身で「Cab式メソッド」を使って新規事業のマーケティング戦略を構築できる様になりますので、是非とも最後までお読みください。
1. 「Cab式メソッド」の具体的な使い方
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Step1 新規事業アイデアを創出する
このステップでは、「①新規事業アイデアを出す」→「②新規事業アイデアを比較する」→「③新規事業アイデアを絞りこむ」という事を行います。
なぜ、このステップを踏むかというと、闇雲にアイデアを出して、それを何の評価軸もなく、絞り込んでいては、成功確率を高めた戦略なんて出来ないからです。
なお、今回はとある理容室が新規事業として「男性向け眉毛メイクサービス」を始めるという話を例にとって説明していきます。
それでは、Step1の具体的な方法をご紹介します。
まず、「Cab式メソッド(Excel版)」の「1. 事業アイデア」シートを開いてください。
開いたらまず、「既存」の欄で既存事業を言語化します。具体的には、既存事業で「誰に」「何を」「どうやって」販売しているかを入力してください。
それが終わると、ご自身が考えておられる新規事業のアイデアを、先ほど入力したすぐ下に、同じように「誰が」「何を」「どうやって」販売するか記入してください。
ここでのポイントは、「誰が」と「何を」のどちらか一方は、既存事業から変更しない様、意識することです。
なぜかというと、既存事業と近いところをやった方が、既存事業の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を新規事業でも使えるからです。
こうすることで、投資額も抑えることができ、成功確率も同時に上げることができます。
今回の例で行くと、赤い文字の部分は既存事業から変更した部分です。
なお、「どうやって」の部分は変えても、変えなくてもいいのですが、新規性を出すという意味では、変えた方が良いと思います。
次に、新規事業のアイデアがいくつか出揃ったら、新規事業アイデアを比較します。
評価軸は、新規性、顧客の課題解決性、収益性、成長性の4つです。これらを各5点満点で評価していきます。
ここでのポイントは、既存事業は全て真ん中の3点とし、その3点と比べて新規事業はどうかという評価をすることです。
また、ここは正確に考えすぎるとキリがないため、ご自身の主観でざっくり判断してください。
最後に、合計点が一番高かった新規事業の案を一番下の「③ 新規事業アイデアを絞りこむ」にコピー&ペーストしてください。
今回の例では、下記の結果となりました。
これで、このステップは完了です。なお、また後でここに戻って来られるので、あまり細かいことは気にせず、次に進んでしまって大丈夫です。
Step2 市場の機会を探る
このステップでは、先ほど作った事業アイデアが「やる価値があるものか」を判断するために行います。
具体的には、制度の機会、社会の機会、経済の機会、技術の機会に恵まれているかを見ていきます。
そのやり方を説明します。「2 市場の機会」のシートを開くと、先ほどのStep 1で決めた内容が自動的に反映されています。
この結果に対して、先ほど言った制度の機会、社会の機会、経済の機会、技術の機会があるか判断していきます。
その為には、これらの空欄部分をまずは埋める必要があります。埋め方は簡単で、インターネットを使って調べると情報は十分集まります。
具体的な調べ方としては、下記の「魔法のキーワード」を活用して検索します。
魔法のキーワード:法規制、法改正、法律緩和、規制強化、補助金、助成金、特別予算
魔法のキーワード:社会問題、社会情勢、抱える課題、問題、人材
魔法のキーワード:市場規模、市場の推移、市場調査データ、市場 伸び、市場構造
魔法のキーワード:最新技術、新しい技術、技術革新、(その時は流行っている言葉 今ならAI、IoT など)
Googleなどの検索エンジンの検索窓に、例えば今回の制度の機会の例でいくと「大学生 法改正」(メインキーワード + 魔法のキーワード)と入力します。
すると、「東京23区内の大学の定員規制が理工分野のデジタル系学部・学科に限って緩和された」の様な、今回の新規事業にとってプラスな内容が出てくることがあります。
このような内容が出てきたら、すかさず対象のセルにメモしてください。
ここでのポイントは、「〇△×大学」では範囲が狭すぎるので、あえて「大学生」にしたという点です。
また、これでも情報がどうしても上手く出てこない場合は、「大学生」ではなく「20代前半」などのさらに大きなキーワードに置き換えるなどしてみると良いです。
なお、このステップでは全てのセルを埋めなければならないという訳ではありません。無理に埋めず、空欄のままで結構です。
最後に、出てきた複数の機会の中から、今回の新規事業に合いそうなものを3つ抜き出して、「②市場の機会をまとめる」にコピー&ペーストしましょう。
ちなみに、今回の例では、下記の結果になりました。
ここで、あまりにも機会が出てこなければ、Step1 に戻って新規事業アイデアを練り直してくださいね。
Step3 自社の真の強みを知る
次は、「自社の真の強み」をあぶり出します。
なぜ、これをやるかと言うと、理由は大きく2つあります。
理由の1つ目は、既存事業の強みをきちんと理解して、それを新規事業に活かすことで、投資額を抑え、成功確率を上げることが出来るからです。
2つ目の理由は、Step2で決めた「市場の機会」と今回Step3であぶり出す「自社の真の強み」をかけ合わせることで、「独自の勝ち筋」を見つけるためです。
それでは、「自社の真の強み」のあぶり出し方を具体的に解説していきます。
まず、「3 自社の真の強みシート」を開きます。そして、業務の流れの欄に自社の既存事業の業務の流れを記入します。
時々勘違いされる方がいらっしゃるのですが、ここは新規事業の業務の流れではなく、既存事業の業務の流れを記入してください。そうしないと、自社が ”現在” 保有する強みをあぶり出せなくなります。
次に、その各業務における「強み」を記入していきます。このように、1つの業務レベルまで落とし込んで「強み」を出すことで、より多くの「強み」を認識することが可能になります。
最後は、この各「強み」が「真の強み」かどうかを判断します。
判断軸は、その強みは•••儲けの源泉か?(A)、珍しいか?(B)、模倣されにくいか?(C)、組織的なものか?(D)です。
ここも主観で結構ですので、その強みがそれぞれ(A)~(D)に合致するかを判断してください。その結果、合致すれば「1」を入力してください。合致しなければ何も入力しなくて結構です。
ここでの注意点は、必ず(A)(B)(C)(D)の順番に評価することです。また、飛び越えて合致としてはいけません。
正しい例:(A)合致(B)合致(C)非合致(D)非合致
NGな例:(A)合致(B)合致(C)非合致(D)合致
→(C)が非合致の場合、(D)は判断の必要はなく、自動的に非合致とする。
ここまで来たら、あとは合計点を見て、一番点数の高い「強み」を1~2個抜き出してください。それが、「自社の真の強み」です。
「自社の真の強み」が決まったら、「③自社の真の強みを決定」の欄にその内容をコピー&ペーストしてください。
今回の例では、下記の結果となりました。
Step4 事業戦略を立案する
さあ、もうクライマックスに近づいてきました。あれ?早くない?と思ったそこのあなた!そうなんです。実際のマーケティング戦略ってこれぐらい簡単でOKなんです。
日々、市場の状況は変わっていきます。だから、細かく決めても結局は「やってみないと分からない」のが本音のところです。
なので、要点だけを決めて、やる!。想定と違ったら修正する。このぐらいの気持ちでなければ、中小企業で新規事業なんて出来ないと思います。
では、このステップを紹介します。まずは、「事業戦略」シートを開いてください。
ここでは、事業戦略を立案します。上部に記載されているのは、これまで各ステップで作ってきたアウトプットです。ここは自動的に反映されています。
◾️既に自動的に反映されている内容
Step1 新規事業アイデア
Step2 市場の機会
Step3 自社の真の強み
これらのアウトプットを参考にして、このStep4では事業戦略を考えます。やり方は、「Step1 事業アイデア」をベースにして、「Step2 市場の機会」と「Step3 自社の真の強み」の両方が活かせる戦略を考えます。
イメージとしては、「Step1 事業アイデア」の文章を「Step2 市場の機会」と「Step3 自社の真の強み」で肉付けしていく感じです。
また、これだけでは他社との差別化が不十分になることが多いです。なので、これに付け加えて、その隣の欄に「これは他社には中々真似できないだろう」という要素を1~2つ記入します。
これで、事業戦略はOKです。今回の例では、下記の内容にしました。
Step5 具体的な打ち手を決める
いよいよ最後のステップです。ここまでくれば、ある程度やることが決まってきているので、イメージが湧きやすいと思います。
ここでは、商品・サービス戦略、価格戦略、流通戦略、販売促進戦略を決めていきます。マーケティング用語では、4Pやマーケティング・ミックスと言われます。聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
マーケティング用語の説明は、このメソッドの趣旨からズレますので、他の方にお譲りするとして、サクッとここも説明していきます。
これは、その名の通りです。事業戦略で方向性は決めたので、「商品・サービス」「価格」「流通(提供方法)」「販売促進方法」を具体的に決めていきます。
恐らく、この中であなたにとって一番悩ましいのが、「価格」を決めることだと思います。でも、ご安心ください。
その為に、Step 1で今回の新規事業は「誰に」と「何を」のどちらかを既存事業と同じにしています。
つまり、「誰に(市場・顧客)」を既存事業と同じにしてれば、既存のお客様に「この新商品アイデアどう思いますか?いくらなら買いますか?」と聞けば大丈夫です。
逆に、「何を(商品・サービス)」を同じにしていれば、既存商品(サービス)を売りたい相手に見せて「これをあなた向けにカスタマイズした商品を出したら、いくらで買いますか?」と聞けば大丈夫です。
今回の例では、下記の通りに決めました。
これで、全て完了です。ここまで入力ができると、「まとめ」のシートにこれまで決めてきた内容が自動的にまとまっています。
気になる点があれば、調整をかけてご自身が納得される戦略に仕上げてください。
2.「Cab式メソッド」を作った理由は、自分が楽をしたかったから
そもそも、私がなぜ「Cab式メソッド」を作ったかというと、楽をしたかったからです。
は?ふざけんな。と思われたかもしれませんが、これが真実です。
しかし、誤解の無いようにしていただきたいのは、私の作業量が減るとかそういったレベルの低い話ではありません。
具体的に理由をお話しします。
この「Cab式メソッド」が完成するまで、私は一般的な「R-STP-MM型」と呼ばれるマーケティングメソッドを使っていました。
このメソッドは、PEST分析、5フォース分析、バリューチェーン分析、VRIO分析、SWOT分析、クロスSWOT分析、STP、4P戦略等で構成するのが一般的です。
すでに、マーケティングを一通り学ばれた方であれば、これらのフレームワークも馴染みがあると思います。
しかし、そういった方は少数派です。
そうなると、どうなるか。まず、私の顧問先様に内容を説明するのに、とても時間がかかる訳です。そして、長い時間をかけて説明しても、すべては伝わらないという最悪の事態になってしまいます。
これは、お互いに骨が折れますし、心も疲れてしまいます。
そこで、私は思い切ってこれらのモデルをもっと「単純化」して、「カタカナ用語」をやめたらどうかと思い、試行錯誤を繰り返しました。そして出来上がったのが、この「Cab式メソッド」です。
今の形に落ち着いた「Cab式メソッド」を使用するようになってからは、顧問先様とのコミュニケーションも「楽」になり、気持ちも「楽」になりました。
これが、冒頭にお話しした「楽」の意味合いです。
3.「Cab式メソッド」に込めた私の想いは「自分のビジネスに夢中になれ!」
最後になってしまいましたが、「Cab式メソッド」の「Cab」の部分について説明させていただきます。
「Cab」とは、「Crazy About my Business」の略で、訳すと「自分のビジネスに夢中になれ!」という意味です。そして、これは同時に私の屋号でもあります。
私は、実は28歳で初めて会社を興したんですが、その当時、とにかく自分のビジネスが楽しくて楽しくて仕方がなかったのを今でも鮮明に覚えています。
その気持ち、あなたにもよく分かるのではないでしょうか。
その気持ちを共感できる人と繋がっていきたい!そんな想いから屋号を「キャブ コンサルティング」としました。
今後もそんな人に出会っていけたら幸せだなと思っています。
まとめ
今回は、「Cab式メソッド」について紹介させていただきました。もし、少しでも気になったという方は、無料でダウンロードできますので、是非、下のボタンからダウンロードしてみてください。損はさせません。
Cab式メソッドのダウンロードはこちらから!