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中小企業の新規事業を低コストで成功させる5つのコツ

中小企業の新規事業を低コストでやるコツ

新規事業を行うにあたり、下記の様な悩みはないでしょうか?

  • 上手く行くか分からない新規事業に大事なお金をつっこむのは気がひける。
  • 既存事業が割と上手く行っている今だからこそ、新規事業をやりたい。

実は、中小企業の新規事業はポイントさえ押さえればそんなに費用をかける必要はないんです!

なぜなら、普段私は中小企業診断士として年間30件以上の新規事業に関わっていますが、「ここまでコストを抑えられるとは思わなかった」と言っていただく事が多いからです。

この記事では、分かりやすくするために、そのポイントを重要な5つに絞りました。

この記事を読むと、新規事業の成功確率を上げながら、出来るだけコストを圧縮できる方法を知ることが出来ます。

目次

1. 低コストで中小企業の新規事業を成功させる5つのコツ

① 既存事業の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を使う

まず初めに、新規事業を行う際に既存事業の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を全く無視して新規事業に取り組まれる経営者の方が多くいらっしゃいます。しかし、経営資源が潤沢にある大企業を除き、このやり方は間違っています。

なぜかと言うと、せっかく既存事業で培った経験やノウハウなどの自社の強みを適切に活用しないと、もったいないからです。

例を挙げましょう。私の顧問先様で、これまで林業を長く営まれてきた方が、急に「最近やたらと近くにコールセンターができた」「みんな儲かっているようだ」という理由だけで、コールセンターをやりたいので、マーケティング戦略構築を手伝ってほしいと相談してこられました。

そこで、一緒にコールセンター事業について、検討したのですが、既存事業の強みが全く活かせないという結論に達し、その事業への投資は辞めることになりました。

その後、検討を続けた結果、「自社が保有する山」という既存事業の経営資源(自社の強み)を活かして「日本一レンタル品が充実した、サバイバルゲーム会場」を作り、今では成功されています。

このように、自社が持つ経営資源をうまく活用することで、コストを抑えると同時に、スピーディな事業立ち上げや成功確率を上げることに繋がります。

一方で、リスク分散の観点からは、既存事業と違う分野に投資することは有効と言えます。そういった意味では、経営資産が潤沢にある大企業にとってはこのような戦略もアリかと思います。

② 市場調査にお金と時間をかけすぎない

中小企業にとって、市場調査にお金と時間をかけすぎることは全くの無駄です。

その理由は、「市場の事を全て理解するなんてどうせ無理」だからです。それよりも、ある程度市場のことを理解したら、さっさと小さくビジネスを始めてしまった方が良いです。

世の中には、1次情報と2次情報があります。

1次情報とは「自分が直接体験して得た情報、もしくは自ら行った調査や実験で得た情報」のことで、言い換えるなら、オリジナル情報です。

2次情報とは「自分の直接的体験による情報ではなく、1次情報を持つ他人から得ることのできた情報」のことで、言い換えるなら1次情報を誰かがまとめた情報です。

1次情報

自分で調べたオリジナルの情報 (自社で行うアンケート結果など)

2次情報

1次情報を誰かがまとめた情報 (専門誌、web、新聞などの情報)

新規事業のマーケティング調査においては、調査会社にお願いして、アンケートを取るなどし、1次情報(オリジナル情報)を集めてくることで、成功確率を上げることができるでしょう。しかし、中小企業にとってそれはあまりにもコストがかかり過ぎます。

よって、専門誌、web、新聞などの2次情報を集めてきて、それを基に戦略を作り、小さくスタートを切り、実際にビジネスを進めながら答え合わせをする方がトータルコストの観点から見てもベターです。

また、仮にいくら一生懸命1次情報を取ったとしても、市場にいるすべての人(企業)からアンケートをとるなんてどうせ不可能です。

ビジネス環境は日々刻々と変化している訳ですから、市場調査はあえて深入りせず、とっとと小さい規模で実際にビジネスを初めてしまう方が、圧倒的にコストを抑えると同時に、最終的な成功確率を高めることができると思います。

③ コンサルに丸投げしない

たまに、経営コンサルタントに自社の新規事業を丸投げされる経営者がいらいしゃいます。もちろん、適切にその道のプロを活用しながら進めることは大変良いことです。しかし、丸投げとなると話は別です。

よく考えれば分かる話ですが、経営者の方は起きてから寝るまでの間、ほぼずっと自社事業の事を考え、それを何年何十年と続けています。

一方、丸投げされたコンサルタントはどうでしょうか。その業界を実際に経験した人を除くと、数百時間、ひどい時は数十時間程度の情報収集で戦略を作る事になります。これでは競合に勝てる良い戦略なんてできるはずがありません。

そして、最悪な事にあなたがそこにかけた費用も、当然水の泡となります。もちろん、コンサルは戦略構築のプロであり、俯瞰した見方ができるため、その点では活用価値があります。

よって、もしあなたがコンサルを使うのであれば、丸投げにせず、自身が知っている業界情報、経験、肌感覚などはしっかりとアウトプットし、コンサルの強みを最大限活用すべきです。

④ 補助金・助成金を活用して投資を抑える

国や地方自治体が実施している補助金・助成金は一通り調査して、自社の新規事業に合うものがあれば、積極的に活用すべきです。

その理由は、新規事業には「思いもよらない出費」がつきものだからです。

私の経験から1つ具体例を出すと、見積もり比較サイトを新規事業として運営されている事業者様で、web広告費が想定以上にかかったという話があります。

当初、ビジネスモデルとしても大変魅力的であり、「これならいける!」と私も感じていたのですが、ふたを開けてみると、実際の顧客獲得単価が、想定していた金額の5倍以上かかってしまい、黒字化するまでにとても長い時間を費やしてしまったという苦い経験です。

下記に、代表的な新規事業に活用可能な補助金・助成金を掲載しています。自社が対象企業となるか、またその際の条件についてこの機会に是非一度ご確認ください。

⑤ フリーランス・個人事業主と連携する

この記事を書いている2024年7月現在、フリーで活動される方は増え続けています。そういった方々と連携することで、新規事業にかかるコストを抑えることが出来ます。

特に、IT関連やコンサルタントの方々は大きな投資をすることなく独立が可能な業種なので多くの方がフリーで活動されています。よって、この辺りの業務があまり得意でない方であれば、思い切ってお任せしてしまうのが得策と言えます。

また、一般的に優秀な方が独立する傾向にありますし、この手の仕事は過去の成果物を見せてもらうことが出来る場合も多いため、比較的品質の管理がしやすいと思います。

具体的な依頼方法としては、クラウドワークスランサーズココナラといったプラットフォームを活用することで、比較的簡単にフリーランスや個人事業主の方々と繋がることが出来ます。

加えて、媒体によっては決済の仲介機能が付いているものもありますので、若干の手数料はかかりますが、相手の規模を気にすることなく、安全な取引を行うことができます。

以上のことから、中小企業の新規事業においてはフリーランスや個人事業主の方々との連携は有益と言えます。

2. 中小企業の新規事業は低コストでトライ&エラーを繰り返すべき

たまたま新規事業が一発で上手くいくことは実際にあるかもしれませんが、私の経験上、それは稀です。よって、基本的には低コストを意識しながら繰り返し施策を打ち続けることが求められます

昨今、経営環境は変化しており、そのスピードも増しているため、今日は最適解だったものが、明日は不正解にだってなり得ます。そのため、日々トライ&エラーを繰り返すというマインドでなければ、事業を軌道に乗せることはかなり難しいと言っていいでしょう。

例えば、日本の成年年齢は明治時代より約140年間、20歳と定められていましたが、民法改正により2022年4月1日から18歳に変わりました。これにより、ターゲット顧客の範囲を再検討するに至った企業は少なくないはずです

よって、まずは一回のチャレンジにかかるコストを圧縮し、チャレンジの回数を増やすことを強くお薦めいたします。

3. 優先すべきポイントは「①既存事業の経営資源活用」と「②市場調査にお金と時間をかけない」

前述した5つのコツの内、優先順位をつけるなら、「① 既存事業の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を使う」と「② 市場調査にお金と時間をかけすぎない」の2つを真っ先に挙げます。

なぜなら、この二つは新規事業の成功確率アップへの寄与が大きい為です。言い換えれば、一番コストがかかる「失敗し続けるという状況」からの回避が期待できると言えます。

既存事業のノウハウを活用しながら、新規事業の初めの一歩である市場調査に時間とお金をかけずに挑戦していくことで、思いもしなかった「気づき」が生まれ、そこから一気に新規事業が軌道に乗る経営者の方々を私はたくさん見てきました。

何に気を付けたらいいか分からないという方は、まずはこの2点だけでも意識されると良いかもしれません。

4. まとめ

人口減少が続く我が国において、既存事業だけで売上・利益を伸ばし続けることが出来る中小企業は少ないと感じています。
中長期的な視野に立ち、前述のポイントを意識しながら、出来る限りコストを抑えつつ、新しい事業に挑戦することは、貴社においても非常に有益な事ではないでしょうか。

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